YouTubeを眺めて出てきた
就活生の〝配属ガチャ”のニュース動画。
私が高卒で就活した頃、その言葉はありませんでした。
でも、採用されたら会社が決めた配属先に従事する。
配属先によって同期入社でも、仕事量や精神的負担に差が出る…と言うのはありました。
私自身も現代の言葉を使えば
「配属ガチャのハズレを引いた」と言うのかもしれません。
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私が働いた中小企業は、地元に古くからある会社で色々な製品サービスを取り扱う商社です。
配属が決まったのは会社の稼ぎ頭の部門でした。
部署のトップである本部長は、私が退職して数年後に社長に就任したと聞きました。
その為なのか、かなり厳しい部署で新社会人を経験する事になったんです。
本部長の営業さんへの口癖は、
「お前らこんな事も出来ないなら○んじまえ!!」でした。
毎日のようにその言葉が飛んでいました。
営業事務員だった私に、直接言われた言葉ではなかった。
でも、年々、自分に言われているように感じてビクビクしていつも不安でした。
営業さんのモチベーションの下りが、仕事のミスに繋がり、営業を補佐する自分の役割にも直結していたからです。
まさに負のループの現場でした。
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そんな中で、私が働けたのは4年間です。
勇気を出して部署移動を申し出たりもしましたが、
申し出は通らず、最終的には体調を崩してしまいました。
4年間と言うのが長いのか、短いのか、
見る人によって価値観は違うと思います。
ただ、私が4年間頑張れたのは、営業さんや事務の先輩が優しかったからです。
年に2回、部署のキックオフの飲み会の時。
本部長が一次会で帰った後は、皆んなで次の店に行くのに20歳のペーペーの私もついて行きました。
二次会のカラオケは、皆んなで作った替え歌を拳を上げて歌って♩
三次会のスナックは、営業さんと事務の先輩が、しっとりとデュエットするのを、うっとりしながら聞いて。
自分も「先輩のように歌えるようになろう!」と、昭和歌謡曲を覚えてカラオケで歌いました。
今は『飲みニケーション』と言う言葉が使われて、会社の人達と飲みに行くのは面倒なだけ。ウザいし、無理…って言うのが大半の本音かもしれないし、私自身もそう思ったりします。
その人の環境や状態にもよるものなので、何が良いとか悪いとか、私には決められません。
ただ当時の私には、あの暗く、どんよりとした息もできない事務所で働いた日々を思い返した時。
年に数回の『飲みニケーション』が、自分が4年間頑張って働けていた事に繋がっていたんじゃないか…と思います。
営業さんも事務の先輩も、もちろん色々な人の集まりだったけれど、それでも好きな人達でした。
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数年後、社長になったと聞く本部長は、
いつも言葉の暴力を振るってパワハラ・モラハラと言ってしまって間違いないような方でした。
その後、何人かの社長の元で働いてみて分かるようになった事ですが、
どうやら上に立つ方には、「怒りで檄を飛ばす」「褒めて伸ばす」など色々な人がいるようです。
(学校など他の場面でもそうかもしれません)
4年間お世話になった本部長は、
はっきり言って 人間として好きではありませんでした。
年月が経ち30代となった今振り返っても、あの方を尊敬出来る部分はあっただろうか?と考えます。
ただ、その「嫌われ者の本部長」だと1番知っていたのは、
一次会で必ず帰る『皆んなとカラオケに行けない本部長』ご自身だったのかもしれません。