ippo / 一歩物語

『プラスもマイナスも一歩ずつ』働くこと・心の健康・小さな幸せ… 一歩ずつ日々を歩くヒントやアイディアを綴ります✎

お店をやりたい『一日店長』を任せてくれた古道具屋さんの話

高卒で事務員をしていた22歳の頃。

会社と家の往復で、同じような毎日を繰り返すだけの自分を

つまらない と思っていました。

そこから脱すべく始めた事は、

自分の住む街の 個人経営の店 を一人で巡ってみよう..と言うもの。

そこで出逢ったお店の一つが古道具屋さんです。

古い平屋の一軒家を「住居、兼 、古道具屋」にしていた

店主さんは物腰の静かな優しい方でした。

気付けば頻繁に遊びに行くようになっていて、

小さい置物やガラスの瓶を買いました。

⁡⁡

「どうやってお店を始めたんですか?」

「どうやったらお店を開けるんですか?」

⁡⁡

私は店主さんに沢山質問をしました。

今思うと、仕事の邪魔をしてしまっていただろうな…と申し訳なくも思います。

店主さんは他の仕事も掛け持ちされていて、とても大変だったと思うんです。

でも、困った質問を投げかけてくる私に、ポツリポツリと優しく話をしてくれました。

ある日、店主さんが別の仕事で店番が出来ない時に、

「一日店番してくれる?」と言ってくれたんです。

その日、一日だけ。

私は古道具屋の店長をやりました🌿

手作りしてくれた『一日店長』の名札を付けて

来てくれたお客さんの接客をしました。

写真は当時撮影したものです。

 

今はもうその古道具屋さんはありません。

お店の最後の日は、お客さん達皆んなで

パーティーをして色んな思い出を話しました。

私にとっても、凄く大事なお店でした。

感謝しても仕切れない場所でした。

 

店主さんは新しい事にチャレンジされて、今はお会いする事はありません。

私自身、何か店を出したか?と言えばそうではありません。

でもお店に流れるBGMを聴きながら、

古道具を眺めて、触れて、

お客さんが来るのを待っていた時間は

今も忘れられないです。

⁡⁡

皆さんの周りにも個人経営のお店が

あるかもしれません。

もし気になるお店、好きなお店があったら、

1日だけ、数時間だけ、

「少しだけお手伝いさせてもらえませんか?」

とお願いしてみたら、何かの一歩に繋がる体験が出来るかもしれません。