高卒で事務員をしていた22歳の頃。
会社と家の往復で、同じような毎日を繰り返すだけの自分を
つまらない と思っていました。
そこから脱すべく始めた事は、
自分の住む街の 個人経営の店 を一人で巡ってみよう..と言うもの。
そこで出逢ったお店の一つが古道具屋さんです。
古い平屋の一軒家を「住居、兼 、古道具屋」にしていた
店主さんは物腰の静かな優しい方でした。
気付けば頻繁に遊びに行くようになっていて、
小さい置物やガラスの瓶を買いました。
「どうやってお店を始めたんですか?」
「どうやったらお店を開けるんですか?」
私は店主さんに沢山質問をしました。
今思うと、仕事の邪魔をしてしまっていただろうな…と申し訳なくも思います。
店主さんは他の仕事も掛け持ちされていて、とても大変だったと思うんです。
でも、困った質問を投げかけてくる私に、ポツリポツリと優しく話をしてくれました。
ある日、店主さんが別の仕事で店番が出来ない時に、
「一日店番してくれる?」と言ってくれたんです。
その日、一日だけ。
私は古道具屋の店長をやりました🌿
手作りしてくれた『一日店長』の名札を付けて
来てくれたお客さんの接客をしました。
写真は当時撮影したものです。
今はもうその古道具屋さんはありません。
お店の最後の日は、お客さん達皆んなで
パーティーをして色んな思い出を話しました。
私にとっても、凄く大事なお店でした。
感謝しても仕切れない場所でした。
店主さんは新しい事にチャレンジされて、今はお会いする事はありません。
私自身、何か店を出したか?と言えばそうではありません。
でもお店に流れるBGMを聴きながら、
古道具を眺めて、触れて、
お客さんが来るのを待っていた時間は
今も忘れられないです。
皆さんの周りにも個人経営のお店が
あるかもしれません。
もし気になるお店、好きなお店があったら、
1日だけ、数時間だけ、
「少しだけお手伝いさせてもらえませんか?」
とお願いしてみたら、何かの一歩に繋がる体験が出来るかもしれません。