私が小学6年生くらいの頃、
母がタクシーの運転手をしていた時がありました。
元々違う仕事をしていた母は、仕事と子育ての合間に自動車学校に通い、二種免許を取得して『女性タクシードライバー』になりました。
小さな街のタクシー運転手でしたが、
ごく稀に有名な方を乗せる機会があったようで、
「今日テレビに出てる〇〇さんを接客したよ」と
誇らしげに話す母に「わー!すごい!」と興味津々で話を聞いていた記憶があります。
タクシーの運転手は、基本は男性社会の職場で女性である母は苦労も多かったようです。
ですが勤めていた会社は、
マナーをとても大切にする社風だったそうで、
子供ながらに私も母を誇らしげに思っていました✨
今も私は、自分がタクシーに乗る時には決まって
母が勤めていたタクシー会社を選んで、
何となく運転手さんに話しかけてしまいます。
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去年タクシーに乗った時。
年配の男性の運転手さんが、
「タクシーは昔、よくサラリーマンのはけ口になってしまう時があったんですよ。
接待終わりのサラリーマンに、ドツかれたり、
行き先も言わず走り続けたりした事もあってね。中には
『俺はこんな仕事しかやれなくて自分が情けないんです』
って泣き出すサラリーマンもいてね。
家で奥さんにグチを言う訳にはいかないから、タクシーの運転手に話をするんですよ。」
と話をしてくれました。
お話を聞きながら、母がタクシーの運転手をしていた時の事を思い返したり、
父が昔サラリーマンをしていた時にも、
そんな事があったのかなと少しだけ想像をしました。